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【レポート】2019.1.17 児童書サロン~子どもの本を一緒に楽しもう~

子どもの頃、夢中になって読んだ本、子ども心に強く印象に残っている本、誰しもそんな本が1冊はあるのではないでしょうか。

1月17日(木)午前10時より2階中央大ラウンジで開催された『児童書サロン~子どもの本を一緒に楽しもう~』はかつて読んでいた、また、大人になってから改めて読んだ児童書について語り合うサロンです。

主催の「まほうのつえ」の野田一穂さんは、延岡市内でおはなしボランティアとして広く活動されており、読み聞かせだけでなく様々なジャンルでご活躍をされています。

 

 

児童書は決して子どものためだけではない

子どもたちが、耳からお話を聞くことによって本を好きになるきっかけになれば、との思いを持って活動されている「まほうのつえ」さんは、エンクロスでも「真夏の夜のこわいおはなし会」や「お月見おはなし会」をしていただき、どちらも大盛況でした。

(「真夏の夜のこわいおはなし会」のレポートはこちら)

今回は大人が対象のサロンです。自身が子どもの頃に読んだ、あるいは子育てをしているなかで読んだことはあっても、大人になって改めて児童書と向き合う機会はなかなかないかもしれません。このサロンを通じて児童書は決して子どものためだけではないということを知っていただけることと思います。

初回である今回は「心に残っている児童書」をテーマに主催者の野田さんと7名の参加者の皆さんの心に残っている児童書を、自己紹介も兼ねてお話しました。中には当時読んでいたその本を持ってこられた方も!懐かしい表紙と、とても大切に保存されていたことがわかる本の状態にみなさんから歓声が上がる一幕もありました。

 

 

人生において、その時だからこそ出会える本がある

子どもの頃に読んだというだけではなく、子育てをしていたからこそ出会えた本もあるという話には、皆さん感慨深そうに深く頷いておられました。人生において、その時だからこそ出会える本があるということはとても素敵ですね。

みなさんの心に残っている本についてのエピソードを聞きながら、野田さんがその本についてや「伝説と昔話の違いは何か」などの補足情報をお話してくださり、さらに皆さんで話を深めていきました。

 

 

参加された方の中には、皆さんと話をしていくうちに自分でも忘れていた記憶が引き出されて驚いたという方や、子どもだった当時と大人になってから読むのとでは同じ本でも感じ方が変わったという方など、一冊の本をきっかけに皆さんのお話はいろいろな方向へ広がっていきます。本だけにとどまらず、映画の話題になるなど、そんな会話の寄り道回り道も楽しいひとときが穏やかに過ぎていきます。

 

 

以前は『十五少年漂流記』など、ここではないどこかに自分の居場所を見つけるユートピア小説が広く読まれていたことに対して、現在はそれをベースにしたディストピア小説が出る傾向にあること、絵本から小説に移行する過程での橋渡しをするような物語の本が少なくなっていること、古典文学からライトなものへ移行した後、また古典へと戻ってきていたのが、いつの頃か古典を経ずに、ライトなものばかりを選ぶようになってしまっているのでは、など近年の子どもを取り巻く読書環境に対する変化についても話が及びました。

 

 

大人だからこそ子どもの読書について願う

こうして参加された皆さんの心に残った児童書について話を進めていくうちに、世代によって読んできた物語が違うことがわかったこと、児童書の中の「永遠の非日常」を子どもの時に体験することはとても大切だということ、昨今は映画でもリメイク作品が人気を博すことも多いですが、できれば原典を知った上で映像作品に触れてほしいということなど、大人だからこそ子どもの読書について願うことも多く話されました。

時を経ていても、児童書1冊を手に取るだけで、自身の子ども時代や育児中の思い出など一瞬でその当時に戻れる素敵な1時間半でした。

 

 

今後も児童書について語り合うだけではなく、野田さんによるストーリーテリングを聞いたり、テーマを設けて読み合ったりするなど、さまざまなアプローチで児童書についての理解や知識を深めていきます。児童書の知識がなくてもご心配はいりません。子どものためだけのものという先入観は捨てて、ぜひご一緒に児童書を楽しんでみませんか?

 

担当:鈴木