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レポート

飾り巻き寿司でHappy Halloween

2018/10/25 開催

お米のアート、飾り巻き寿司

お祝いの席に欠かせない巻き寿司。宮崎はレタス巻き発祥の地と言われていますが、同様に各地に郷土食豊かな様々な巻き寿司があります。
中でも房総地方では、自然をモチーフにした太巻き寿司が郷土料理として古くから親しまれてきました。
そして、太巻き寿司に動物や植物、キャラクターなど現代風のアレンジを加えて発展させたのが、SNSでも話題の「飾り巻き寿司」です。
講師は、飾り巻き寿司の第一人者、川澄健氏が主宰される『川澄飾り巻き寿司協会』認定インストラクターの資格をお持ちの杉本裕子さんです。
杉本さんが飾り巻き寿司インストラクターになられるきっかけとなったのも、以前お住まいになられていた房総地方の千葉県木更津市。郷土料理の大きな巻き寿司と出会い、「お米のアート」とも称されるその魅力にハマったのだとか。
現在、出身地の延岡にお住まいの杉本さんは、飾り巻き寿司を作る楽しさ、華やかさと美味しさを兼ね備えた飾り巻き寿司の魅力を料理教室で紹介されています。そして、より多くの方にご紹介したいと、エンクロスでの活動を開始されました。
今回が4回目となるこの日のテーマは、「飾り巻き寿司でHappy Halloween」。10月31日のハロウィンに向けて、ユニークなかぼちゃのランタン(ジャック・オ・ランタン)とかわいいお化けの巻き寿司を作ります。


完璧なセッティングからスタート

杉本さんの教室はいつも完璧なセッティングから始まります。
この日も、きっちりと計量されたすし飯や、様々なサイズに切り分けられた海苔、パーツになる食材、参加者ごとに色が違うカラフルなスケールをはじめとした様々な道具類が、規則正しくカウンターに整列して参加者の皆さんをお出迎えしました。
メンバーは、飾り巻き寿司教室初となる男性1名を含む5名。男性の参加者さんは、奥様とお二人で九州旅行真最中とのこと。
初めて訪れる延岡での思い出作りに、「何か面白い催しはないですか?」とエンクロスへお問い合わせいただき、この日の教室に参加していただくことになりました。
参加者の皆さんが席に着かれ、杉本さんの自己紹介が終わると、写真入りで丁寧に作られたレシピを見ながら飾り巻き寿司作りがスタートしました。


工作を楽しむように一つひとつ丁寧に

飾り巻き寿司は一見すると難しそうで「不器用だから私には無理だわ!」と諦める方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。
ポイントは、すし飯をパーツごとにきっちり計量すること、具や飾りつけに使う野菜は決められた長さに切り揃えること。そして、手順通り丁寧に作れば、誰でもSNSで見かけるような、美しい断面の飾り巻き寿司が出来上がります。
まずは「ジャック・オ・ランタン」から。予め用意されたすし飯に、かぼちゃの色に見立てたとびっこを混ぜて幾つかのパーツを作っていきます。この単純そうに見える計量が、実はとても時間がかかる細かい作業。
数グラム単位ですし飯を計り、計量した順番に並べておくのですが、分量や個数、並べる順番を間違えると、作る過程でアレ??ということになってしまうので、ここは慎重に。皆さん、真剣な表情でスケールとにらめっこされていました。


なんとか計量が終わると、次は、ジャック・オ・ランタンのいたずらっぽい目や口になる具材のカットです。口はかまぼこに切れ目を入れて海苔を挟んで作ります。きゅうりは、決められた長さにカットして、海苔をくるくると巻いて目と鼻に。
料理というよりは、まるで工作を作っているような細かい作業が続きます。


そして、すべてのパーツが揃ったら、いよいよ巻きの作業です。
巻きすに海苔を広げ、計量した寿司めしやパーツを順番に乗せて行くと、少しずつかぼちゃの形に近づいてきましたが、この段階では「ちゃんと出来るかなぁ…」と皆さんまだ不安そうな表情です。
巻きすを手に持って巻き上げ、形を整えて仕上げます。主催者の杉本さんは、ひとりひとりの様子に気を配り、カウンターを行ったり来たりしながら丁寧に指導され、参加者さんも真剣な眼差しで聞き入っていらっしゃいました。


そして、飾り巻き寿司で1番のお楽しみは、なんと言っても包丁を入れる瞬間です。すし飯がくっつかないように包丁の刃先にすし酢をつけ、ゆっくりと丁寧に。
すると、包丁を入れた断面に、くっきりとジャック・オ・ランタンが現れました。断面を見た参加者の皆さんの表情が笑顔に変わる瞬間です。


次に、残ったすし飯に細かく刻んだしょうがの甘酢漬けを混ぜて、可愛らしい小さなお化けを作ります。巻きすを丁寧に使ってオバケらしく形を整え、海苔用のパンチで顔のパーツをくり抜き、ピンセットや竹串で丁寧に貼り付けていきます。
最後に杉本さんお手製の帽子ピックを被せて、かわいいお化けたちの完成です。


キッチンをコミュニケーションの場に

どんな教室もそうですが、皆さんの作業の進行度合いには個人差があります。参加者同士で声を掛け合いながら、作品や料理を作り上げていくことも、市民活動の意義のひとつだと思います。
今回も参加者の方たちは、お互いの作業を確認しながら、終始和やかなムードで進行することができました。


巻き寿司という昔ながらの料理でありながら、工作やアートのような楽しさも兼ね備えた飾り巻き寿司。
一つひとつの作業に集中した後に、完成した巻き寿司の断面を見る参加者の方たちの驚きや嬉しそうな表情を拝見する時、そばにいる私もいつも笑顔になります。
今後も杉本さんの教室では、暮らしを彩る美しいものや、家族のイベントに笑顔を添える可愛らしいものなど、バリエーション豊かな飾り巻き寿司を紹介される予定です。
手先が器用でなくても大丈夫!子どもから大人まで楽しめる飾り巻き寿司を、おもてなしのレシピに加えてみませんか。
きっと、家族やお友だち、大切な方たちの喜ぶ顔が見られるはずですよ。