1. TOP
  2. レポート
  3. 自分で作るイッピン!お正月飾り

レポート

自分で作るイッピン!お正月飾り

2018/12/1 開催

自分で作るお洒落なお正月飾り

師走を迎え、今年も残すところあとわずかとなりました。
そろそろ各ご家庭でも、年末年始のあれこれについて、考え始める時期ではないでしょうか。大掃除をしたり、年越しに必要なものの買い出しをしたりと、やることはたくさんありますので、なるべく早めに取り掛かりたいところですね。
さて、そんなお正月の準備に必要なもののひとつに、お正月飾りがあります。
お正月飾りとは、注連縄(しめなわ)に松などの縁起物の飾りをつけて水引などをあしらったもののことです。歳神様をお迎えして祀るため、玄関の軒下に飾りつけます。
ごぼう注連、大根注連、玉飾り、輪飾りなど、実に様々な種類があるのですが、最近ではこれら日本家屋に合う伝統的なデザインだけでなく、現代の家に合うモダンなデザインのものも増えてきているようです。
ただ、お店で買うとなると、そんなお洒落なお正月飾りにはなかなか出会えないもの。
もしも、自分だけの特別なものが作れたら、きっと素晴らしいお正月を迎えられるはず…。
12月1日に開催されたイベント「自分で作るイッピン!お正月飾り」では、そんな思いが見事に叶いそうな素敵な作品が次々に制作されました。


このイベントを主催してくださったのは、ルームローズウッドHANA倶楽部のみなさん。
同じフラワーデザイン教室に通っていた縁のある5名で立ち上げた団体で、フラワーデザイン全般を取り扱っており、イベントや展示などでの活動を主に行っているそうです。
すでに活動歴は30年以上にもなりますが、みなさんさまざまな資格や趣味をお持ちになり、多方面で精力的に活動されていらっしゃいます。
当日は、児玉律子さん、土肥英子さん、甲斐恭子さんにお越しいただき、イベントが開催されました。


お正月飾りと、フラワーデザイン。一見、関係ないようなこの組み合わせですが、児玉さんによると、お正月飾りの制作は「昨年、フラワーデザインの材料でなにか作れないか考えていたときに、ふっと思いついた」のだそうです。
その後、メンバー全員でアイデアを出し合い制作したものは、フラワーデザイン講師ならではのアイデアがたくさん盛り込まれており、イベントでも大変人気がありました。
そこで、今年はぜひエンクロスでやってみたいと考えてくださったそうです。月初の開催だったため、まだお正月の準備には余裕のある時期ではありましたが、参加予約もいっぱいで、児玉さんたちもびっくりするほどの大変な盛況となりました。


しめ縄は、ピンク、紫、若草色の3色が用意されました。また、飾りとして、大ぶりの花、小ぶりの花、稲穂、松の枝、まつぼっくり、ゲイラックスの葉、南天、モダンな丸い輪っか、水引などがありました。
参加者から「いろいろな飾りがあって、色も豊富。すごく気に入りました」と声が上がるなど、とても好評のようです。
では、実際の制作の様子はというと…?

フラワーデザインには生け花のようなセンスが必要

作る工程では、全体のバランスを考えて形作っていくのがなかなか大変なようでした。
参加者の方に「どこが難しいですか?」と尋ねると、
「どう飾りつけるが難しいです。花などの配置を変えると見た感じが全く変わるので、生け花のようなセンスが必要だなと思いました。」
「アドバイスをもらっていろいろと変えてみたら、すごく素敵になってうれしいです」
と答えてくれました。
また、しめ縄に仮留めをしながら少しずつ強度を上げてまとめていくというのも、コツが必要なようです。最初からキッチリ止めていくと飾り同士で空間ができないため、次を取り付けるのが難しくなっているように感じられました。
そこをボンドやテープ、ワイヤーを使い分けながら上手に作り上げていくのが、講師の甲斐さん。さすがの手慣れた様子に、参加者の皆さんも感心しきり。
作りたいイメージを相談しながら、一緒になって作っていく様子は賑やかで、難しいといいながらもとても楽しそうでした。
今回、イベントを拝見している中で、私が「なるほど」と思ったことは二つありました。
1つは、お正月飾りを見る人の目線を意識した作りについてです。
お正月飾りを作るとき、作り手の目線は飾りの正面もしくは上から見下ろす形になっていました。しかし、お正月飾りを飾る場所は玄関の軒下近くになるため、実際に見るときは下から見上げる形になるのです。
その『下からの目線』を意識して配置を考えるとよい、というアドバイスは、参加者の皆さんもとても納得のいくものであったと思います。
二つ目は、稲穂の取り付け方についてです。
参加者の方に、玄関のドアは左右どちらに開閉するかを聞き、開け閉めの際に穂が当たって邪魔になることのないような向きや角度を提案されていました。
これは実際に飾ってみて初めて、「こうしたほうがよかったな」と分かるような部分だと思います。事前に確認をとっていたことに、細やかな配慮を感じました。


一時間半という制作時間でしたが、時間が足りなくなるほど充実したものとなりました。
完成したみなさんに、こだわりのポイントについて尋ねてみると、多くの方から「水引のあしらい方は特にこだわりました」という答えが返ってきました。
たしかにみなさん、水引には多くの時間をかけていたように感じます。色の組み合わせ方はもちろん、どこを起点としてどう巻き付けていくか。
飾りの横を通して幅を出すか、前に出して立体的に見せるか、きれいなカーブをどう出すかなど、デザイン性にとにかく四苦八苦している様子がありました。
講師の土肥さん曰く、「水引は遊び心が大事!」とのことですが…。
そんな遊び心満載の、講師陣をはじめほかの参加者たちからも大絶賛されていた作品を、写真でお見せいたしましょう。


自分の個性が詰まった一品は、それだけでどこか特別なもの。
「『人と違う』ことに価値があり、それが作る楽しさにも繋がってほしい」と土肥さんは言います。
「『買う』だけでなく『作る』。これからの時代にはクリエイティブなことが重要なのだということが、少しでも伝わってくれたらうれしいですね。」
エンクロスでは、このようなものづくりに関するイベントを多数開催しております。
少しでも興味のあるイベントが見つかりましたら、ぜひ一度お問い合わせください。