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レポート

Most Likely To Succeed上映会&対話会

High Tech Highとは?

1月9日(木)、18(土)に学習スペースにて
『Most Likely To Succeed上映会&対話会』を開催しました。
エンクロスの1月のテーマは『教育』。
「未来の教育を知り、考え、体験する」と題し、教育にまつわる
イベントを行いました。
そのひとつがこの『Most Likely To Succeed上映会&対話会』です。

『Most Likely To Succeed』は教育ドキュメンタリーとして
とても評価の高い映画です。
舞台はHigh Tech Highと呼ばれる
アメリカ、カリフォルニア州サンディエゴにある
公立チャータースクール(特別認可学校)です。
公立校なので授業料は無料。地域から抽選で選ばれた子どもたちが
通っています。

High Tech Highはクアルコムの出資で設立され、小学校から
高校まで12校を運営しています。卒業生の98%が大学へ進学し
そのなかでも
STEM(科学・技術・工学・数学)を専攻する生徒が34%と
全国平均の17%に対してかなり多いことで知られています。

カリキュラムの自由度が高く、教科書や始業の合図教科書や試験は
ありません。
そのため、何を教えるかは教師の裁量に任され、同じ学年でも
クラスによって学ぶ内容は大きく異なります。

学習は教師ではなく生徒が主体となって行われ、年度末に
一般公開される発表会がその年の教育成果の集大成になります。
この映画は、授業初日から発表会までの過程を追った
ドキュメンタリーです。

最初は机と椅子を指定された形に並べ替えることすらできなかった子どもたちが一年を通してどのように成長していったか
教師・生徒・保護者の話を交えながら追っていきます。



参加された方々も、真剣な眼差しで
子どもたちの様子をご覧になっていました。
子どもたちがどのように成長するのか序盤では想像もつかなかったことと
思いますが、終盤、子どもたちの成長を子どもたち自身のことばで
語る場面では、思わず涙する方もいました。

上映終了後は
「もっとたくさんの人に観てもらいたい」
「次の上映予定はないのか」とのお声もいただきました。

様々な視点から今の教育現場や、これからの教育について語る


休憩を挟んで、教員、公共施設職員、市議会議員、保護者、学生など
さまざまな世代、立場の方にご参加いただき、映画を観た感想や教育について
思うことなどを共有しあう対話会を行いました。

「子どもの成長に心を動かされた」
「与えられたものをただこなすだけではなく、自分で意味を考え
時には失敗しながら修正していくことで
「納得する」という快感を知ることが大事。
自分が納得するということにこだわることで多様な学びが生まれる」

「親や他人に決めてもらうのではなく、自分のことは自分で判断できる
子どもに育ってほしい。たとえ、その判断が間違ったとしても
自分で責任を取ることができる子どもになってほしい」
「ものづくりの必要性を感じた」

「アクティブラーニングを効果的に生かすにはどうすればよいか」
「地域や身近におられる専門的な知識や技術を持つ方と
教育現場との連携をもっと深めていきたい」
「支援が必要な子どもたちが通う施設に対する支援や助成を
もっと手厚くするべきでは」

など、映画をきっかけにさまざまな意見の交換をすることができ、
参加されたみなさんの教育への関心の高さを窺い知ることができました。


小学校は2020年度から、中学校は2021年度から、高校は2022年度から、
新学習指導要領が実施となり
「主体的・対話的な深い学び」についてどう取り組むのか注目されています。

未来の教育がどうなるのか、どうあるべきなのか。
この2回の上映を通して
ご覧になったみなさまの何らかのヒントやきっかけになれば幸いです。