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レポート

本のプロ「出版社」による、出版セミナー!

2020/1/19 開催

1月19日(日)、中央ラウンジにて『本のプロ「出版社」による、出版セミナー!』を開催しました。



今回お話をしてくださったのは九州老舗の出版社「株式会社梓書院」取締役部長の前田司さんです。


福岡で創業48年目を数える梓書院さんは、『季刊邪馬台国』や『マンガ九州の偉人・文化ものがたり』シリーズなど、一般書だけではなく、歴史・研究の分野や漫画・電子書籍に至るまで様々な書籍を出版されています。そんな出版社の方から生のお話を聞くことができる貴重な機会とあって、参加されたみなさんの期待も高まります。
みなさんは国内にどのくらいの出版社があるかご存じでしょうか。答えはおよそ3,000社。梓書院さんのように東京以外にある出版社は珍しく、出版社のおよそ9割が東京に集中しているのだそうです。

本に作者の「思い」を込めるお仕事

出版セミナーでは、「出版社のお仕事とは?」から始まり、出版の形態や費用、原稿執筆講座まで盛りだくさんの内容を裏話も交えて、前田さんよりお話ししていただきました。
出版社は「思い」の表現方法を探り、カタチにしていくお手伝いをすることが仕事です。そのために「作者の思いを受けとめる」こと、「思い」をどう実現するのか手段を探り、「思い」が持つ価値を書籍を通して表現していくことが出版社であり、印刷会社との違いであるというお話に、参加されたみなさんも深く頷いておられました。

出版社と印刷会社の具体的な違いとして、「校正する」・「デザイン、本作りのノウハウがある」・「流通させる」ということが挙げられます。いずれも一朝一夕でできることではなく、「思い」に寄り添いながら一冊一冊丁寧に本を作ってこられたことで蓄積された実績と経験による賜物だと言えるのではないでしょうか。
校正についてのお話では、文章を柔らかくするこつや「欲しい・ほしい」「下さい・ください」の使い分け方など、日常にすぐに取り入れることのできるプロならではのワンポイントアドバイスもありました。


出版社の仕事がどのようなものか知ったあとは、自費出版と企画出版の違いについてお話ししていただきました。気になるそれぞれの費用についても説明していただき、今までなかなか知ることができなかった部分を聞くことができました。
ここだけの裏話として、印税の計算方法まで教えていただきました。(ご参加いただいたみなさんはこれから書店やご自宅でその本の印税がだいたいどれくらいなのか計算できますね…!)

文章の意味を伝える難しさ

最後に原稿執筆教室として、良い文章とはどのようなものなのかを前田さんより解説していただきました。文章の長さや句読点の打ちかた、修飾語と被修飾語の関係、主語と述語のつながりなどを踏まえたうえで、例題の校正を行いました。句読点の打ちかたひとつで文章の意味が変わってしまうことを実際に体験し、校正の大切さや難しさを感じました。


その後、本を作ることを想定して目次づくりに挑戦しました。テーマやアイデア、ターゲットは誰なのかを考えながら、章立てや構成を決めていきます。
起承転結や5W1H(誰が・どこで・いつ・何を・なぜ・どのように)も意識しながら目次づくりに取り組み、短い時間でしたが本を作る最初の一歩を体験して、盛りだくさんな内容の2時間が終了しました。終了後も参加された方が前田さんに熱心に質問をされる姿が見られました。
本をいつか出版したいと思っておられる方はもちろん、本が好き・文章をうまく書きたいという方にもご満足いただけたことと思います。前田さんのお話を聞いて、これまで以上に本を身近に感じていただけたのではないでしょうか。
出版セミナーは今後も開催予定です。興味を持たれた方はぜひご参加ください。みなさまのご参加をお待ちしております。