イベント
オンラインも同時開催 文豪サロン 本の楽しみ方
2022/3/5 17:00~18:00 開催
3月5日(土)17:00より、中央大ラウンジにて花田まり乃さん主催による『オンラインも同時開催 文豪サロン 本の楽しみ方』が開催されました。
<紙の本がもつ味わいを伝えたい>
花田さんは、明治から昭和にかけて書かれた小説を読むことが大好き。
読むことのみにとどまらず、作品の解釈、作家の人となりや生活についても文献を参考にしながら、調べています。
そんな花田さんのこだわりは、『紙の本で読む』こと。
紙の本がもつ手触りや香り、ページをめくる音など、電子書籍がなかった時代の空気感もすべて含めて作品を楽しんでほしいと話します。
参加者として市民活動に関わるうちに、『文学作品のおもしろさ・紙の本の良さ』をもっと知ってもらいたいと思い、自ら主催者となって今回の活動を開催するに至りました。
<文豪を身近に感じてもらうために>
『文豪サロン 本の楽しみ方』はその名のとおり、文豪と呼ばれる作家にスポットを当て、語り合うサロン形式のイベントです。その場で読める短編を課題図書とし、感想をシェアしながら、その作家の生い立ちやエピソードも取り入れつつ、理解を深めていく1時間です。第1回となる今回の課題図書は、『夢十夜(ゆめじゅうや)』(夏目漱石著)です。
花田さんが敬愛する夏目漱石の短編で、第一夜から第十夜まで十編の夢にまつわる不思議な話で構成されています。
参加者のみなさんは、まず10分間作品を読みます。そのあと、好きな場面や感想、疑問などを話し合います。
今回参加された方のなかには、大学の卒業論文で夏目漱石を研究したという方や、学生時代に『夢十夜』の一部を授業で読んだことがあるという方もおられました。
同じ作品でも、感じ方は人それぞれ。漱石はなぜこの話を書いたのか、という疑問から、漱石の心象風景を描いたのではないか、人の持つ罪悪感を自己認識するまでの過程を表したものではないか、という深く鋭い考察まで、明るく時に真剣に語り合いました。
花田さんからは漱石にまつわる意外なエピソードが紹介され、笑いが起こる場面や、花田さんの作品に対する熱い思いにじっと聞き入る場面もありました。
1時間という短い時間では語りきれませんが、参加されたみなさんと感想をシェアすることで、ひとりでは感じることのできない視点を得ることができました。
「文豪」というと堅苦しく難しいイメージを持つ方もおられるかもしれませんが、ひとりの人間としての側面を知ることで、もっと身近に感じていただくことを目標に、今後も月1回のペースで開催いたします。当日その場でお読みいただける短編を取り上げますので、どうぞお気軽にご参加ください。オンラインでのご参加もお待ちしております。