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レポート

そだてものクラフト~お手入れ重ねる木のお皿~

2022/5/21 14:00~15:30 開催

5月21日(土)に、エンクロスが主催する『そだてものクラフト~お手入れ重ねる木のお皿~』を開催いたしました。
上質な木の無塗装のお皿。日常使いできれば、暮らしの質が向上しそう。
そんな憧れの生活に一歩近づくために、今回は株式会社グロースリング代表取締役岸本泰生さんと百年木材事業部マネージャー林紗由美さんを講師にお迎えして、木製品のお手入れについて教えていただきました。


〈ものを大事に長く使うということ〉

安価な樹脂製品があふれ、使い捨てることがあたりまえになってしまっている今、
「使い捨てないですむものはどんなものだろう」
その問いに真摯に向き合うのが株式会社グロースリングです。
株式会社グロースリングは、『100年育てた木を100年使う』というコンセプトで生産している百年木材の精神に基づき、木製品を通してひとつのものを長く使うことの楽しさやメリットを伝えるために活動されています。

〈今日から始める『そだてもの』〉

百年木材では、長く使えば使うほど味わいが出て、よくなっていくものを『そだてもの』と名付けています。
今回は、無塗装の木皿にご自身の手で紙やすりをかけ、オイル仕上げまでを行うワークショップです。使用するのは、由布市のプロダクトデザイナー 木屋かみの 神野達也氏デザイン、樹齢100年を超えた檜を使用した無塗装の『そだてるパン皿』です。
表面の凹凸を平らにするため、紙やすりをかける作業からスタート。


洗練されたデザインのお皿に紙やすりをかけるのは、なかなか勇気のいることですが、林さんのご指導のもと、裏面からやすりをかけていきます。その表情は真剣そのもの。最初は恐る恐るやすりをかけていた方も黙々と手を動かします。


表面が平らになると、キッチンペーパーに含ませたアマニオイルをお皿全体に塗布していきます。


林さんは各テーブルをまわりながら、アドバイスや質問に答えてくださいます。
作業を続けながら、無塗装の木製品の良さについてもお聞きしました。
表面が塗装されたものは長年使うと、浮いたりはがれたりして木部がむきだしになってしまいます。その点、無塗装のものはその心配がなく、オイルでお手入れすれば使い込むほどに味が出てくるのだそうです。


会場であるDIYスペースに5月23日まで、期間限定で設置した百年木材のダイニングセットは、樹齢150年の杉材を使用し、シンプルながら洗練されたデザインと木そのものの良さを感じていただけるものです。杉材は柔らかく、これまでさまざまな場所で展示されてきたことで多少傷がついてしまっていますが、オイルでのお手入れを続けることによって、傷もまた味わいとなっていることを実際に見ていただきました。
オイルを塗布しておくと、多少のシミはすぐに拭けば取れるのだそうです。
お皿を使うときの注意点についても説明がありました。
お手入れの頻度は年に3~4回、それに加えて汚れが気になったときに行えばよいとのことで、予想していたより手軽だとわかり、ほっとした表情を浮かべる方も。
岸本代表取締役の失敗談が林さんから披露されると、会場は笑いに包まれました。


また林さんが木のスプーンのお手入れを実演してくださいました。使い込まれて表面が毛羽立ってきたものがほんの数分で買ったときのような状態に戻り、お手入れの大切さと簡単さに驚きの声が上がっていました。

お皿のデザインは同じでも、木目の入り方は一枚一枚違い、すべてが世界にひとつしかない自分だけのオリジナルです。メンテナンスや手直しを加えながら、手をかけることでよりいっそう愛着が増していくことでしょう。


それはまさに『そだてもの』。変化していくさまも楽しんでいただければと林さん。


11月にも『そだてものクラフト』を開催する予定です。ぜひ木のぬくもりを感じにお越しください。