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レポート

オンラインも同時開催 「もしも」に備える、防災・即メシ講座

2022/11/18 10:30~12:00 開催

11月18日(金)、キッチンスペースにて『オンラインも同時開催 「もしも」に備える、防災・即メシ講座』が開催されました。
主催の吉田紋子さんは、防災士の資格を持つ管理栄養士です。


準備しなくてはと思いつつも、なかなか進まない「もしも」への備え。
負担なく準備ができ、防災食の作り方や防災術など、しっかりした知識を身につけることができれば、いざというときにあわてずに済みます。そのための学びの時間を作りたいという思いをもって、エンクロスで活動しています。

〈今日からはじめる災害への備え〉

防災準備を始める前に「自分の住んでいる家について知る」ということが大切だと話す吉田さん。


自分の住んでいるのはどんな場所なのか。これまで浸水したことがあるのかないのか。
また、家の築年数がどれくらいなのか。鉄筋なのか木造なのか、など家や地域の特性や住んでいる家族の人数や年齢によって、準備する内容が変わります。
必要なものをむだなく準備するために、まず自分の状況を正しく把握すること。それが大切です。

把握したあとは、実際災害が起こった場合どのように行動するのかを考えます。
避難所に行くのか、在宅避難ができるのか。車中避難やテント避難といった選択肢もあります。
吉田さんは、「避難場所」と「避難所」の違いについても触れ、ふたつを混同していると、いつまで経っても救援物資が手に入らないこともあると話し、参加者からは「それは知らなかった」と驚きの声が上がりました。


そのことを知ったうえで、「もしも」のときのために準備しておくものは、2つ。
ひとつめは、自宅で常に備蓄しておく食料や日用品。
もうひとつは、非常用持ち出しのリュックです。
備蓄で必要なのは、家族の人数×5日分の食料と言われています。この量を自宅に保管しようとすると、思いのほか場所を取ってしまいます。また、せっかく備蓄していても定期的に点検していないと、いざ使いたいときに使用期限や消費期限が切れてしまっているということもよくあるそうです。
吉田さんは、備蓄品を日々の生活で使い、減った分を補充していく「ローリングストック」をしています。月末には保管場所を見て、足りないものを補充しているそうです。点検・補充を日々のルーティーンに組み込めば、定期的に見直すことができるので、いつでも使える状態を維持できると吉田さん。
水の備蓄方法やおすすめの備蓄食料もたくさん紹介してくださいました。


非常用持ち出しリュックは、家族ひとりずつ準備。
吉田さんは、実際に準備しているリュックを持参し、必須で準備するもの、あると便利なものなどを紹介しました。実際に被災された方から聞いた、持っておくとよいものも紹介されると、参加されたみなさんは「なるほど」と頷きながら、熱心にメモを取っていました。


〈被災しても、あたたかい食事を〉

次に、防災食のレシピを紹介しました。
停電しても湯煎でごはんを炊く方法、缶詰や保存食を上手に利用したおかずやスープの作り方、断水したときにいかに水を節約するかなど、実際に調理しながら、丁寧にやさしくお話する吉田さん。


「防災食とは思えないおいしさですね」とは試食した参加者のみなさんの感想です。


被災したという不安やストレスのなかで、冷たい食事をとることはとてもつらいことです。温かい食事は身体も心も温めます。
いつものように調理できなくても、いつものような温かい食事をとるためにはどのようにすればよいのかを詳しく教えてくださいました。


〈日頃の備え+自分で考える力〉

吉田さんは最後に、避難場所や最終的な集合場所を家族で確認し共有することに加えて、被災したときにどのように行動すればよいのかを自分で考える力を身につけることが必要だと話しました。
また、日ごろから家の整理整頓を心がけること、家具の転倒防止の対策をすること、非常用持ち出しリュックの中身を1年に1回は見直すことも大切な備えだと伝えました。

より詳しい内容をお聞きになりたい方はぜひイベントにご参加ください。吉田さんのわかりやすいお話と資料は、すぐに準備を始めようと思わせてくれるものばかりです。
以前、エンクロスでこのイベントを開催されたその日の夜に、延岡で大きな地震がありました。災害はいつ起こるかわかりません。いざというときに困らないために、今日から「もしも」に備える準備を始めませんか?