1. TOP
  2. レポート
  3. イベント
  4. 「医食同源」韓国料理から健康を知ろう!

レポート

「医食同源」韓国料理から健康を知ろう!

2023/9/3 15:00~16:30 開催

9月3日(日)、学習スペースにて『「医食同源」韓国料理から健康を知ろう!』を開催いたしました。
未病(病気になる前の段階の体や心に不調がある状態)に効果的な食事として注目されている韓国料理。辛味が特徴ですが発酵食も多く、消化を助け、代謝の促進や免疫力の強化などの効果が期待されています。
今回のテーマは「医食同源」。
食べるものと薬になるものの源は同じという意味で、日ごろから自分の体調に合わせたバランスのよいおいしい食事をとることで病気の予防を心がけるという考え方です。
「医食同源」の考えをひもときながら、前半は食事についてのお話、後半は試食という二部構成で韓国料理の魅力を体験し、食の観点から健康について考えていきました。


写真左)林戴陽先生   写真右)金亮希シェフ

〈かんたんに作って、かんたんに食べる体にやさしい食事とは〉
お話をしてくださったのは、林戴陽先生。医師歴43年の乳がん専門医です。韓国外科学会、乳がん学会で副会長を務めるなど、韓国の乳がん治療の第一人者として活躍されています。


林先生の食に対する考え方は「かんたんに作ってかんたんに食べよう」。
韓国でも増加している乳がん患者。林先生は生活習慣の乱れが関係しているのではないかと指摘し、なかでも食習慣の変化について詳しくお話をされました。
地球環境の悪化、旬に関係なく生産管理された野菜、狭い場所で飼料を与えて育てた肉など、食事の量や種類は豊かになった反面、わたしたち人間が本来持つ自浄能力を超えた有害なものが体内に入り、病気を引き起こしているのではないかという林先生のことばが胸に刺さります。


健康的に生きるためには、健康的な野菜、健康的な肉を食べることが大切です。
見た目が悪く、虫食いの野菜に出会うと林先生はとてもうれしくなるのだそうです。太陽の光をたっぷり浴びて、のびのび育った野菜は虫も好んで食べるほど栄養満点です。
また、肉は脂身の多いものではなく赤身のものを焼かずに茹でて、最低限の量を食べています。
食事の回数についても、1日3回欠かさず食べることが健康によいとされてきましたが、林先生はそれだと栄養を多く摂りすぎてしまうと考えています。できれば量を少なくし、栄養を過不足なく適量摂ることが健康的な食事だそうです。
朝起きたとき体がむくんでいるのは、夜遅く食事をすることに原因があります。寝ている間に消化のために体を動かしていると、休む暇がありません。体が休めるように食事の量を少なくすることが理想です。
量が少ないと満足感が得られないという方もいらっしゃるでしょう。林先生は野菜中心の食事でカロリーを低くし、おなかいっぱい食べながら25kgの減量を実現しました。
林先生は食事を摂る回数や満足感と栄養の両方が得られる食材を紹介しながら、健康的な食事についてわかりやすくお話されました。


12年前に建てた病院は韓国の伝統家屋で、林先生の考える体と心を癒す健康的な食事ができるくつろげる場所にしたそうです。
「食べるということは、単に食べものを口に入れるという意味ではありません。食事はわたしたちの体であり薬です。心をこめて準備をし、心をこめて食べなければいけません。わたしたちは今まであまりに忙しく生きてきました。そして病気にかかりやすくなりました。現代は栄養が多すぎる時代です。必要な分だけの食事をし、体を軽くすることが健康を維持する方法です。」とお話を締めくくりました。
参加された方からは、食事を摂るタイミングや健康的な食事をするうえでいちばん大事にしていることなどについて質問があり、林先生が丁寧に答える場面もありました。

〈金亮希シェフの本場韓国料理を味わう〉
休憩を挟んで後半は、おまちかねの試食タイムです。 午前中からキッチンスペースで40名分以上の試食を作ってくださったのは、金亮希シェフ。


韓国で活躍する金シェフが腕によりをかけた3品を用意してくださいました。


3色のナムル


海鮮ネギチヂミ


チャプチェ

シャキシャキの食感と彩りが美しい3色のナムルとネギの香りとイカや貝の味わい豊かな海鮮ネギチヂミ、牛肉と野菜のうまみが春雨にしみこんだチャプチェに舌鼓を打ちました。


なかでもチャプチェが大人気で「とてもおいしい。箸が止まらない!」と何度もおかわりの声が上がり、あっという間に売り切れていました。
普段はなかなか食べられない本場の韓国料理に、おなかもこころも満たされた笑顔あふれる時間となりました。
また、金シェフの味をご家庭でも楽しんでいただけるようレシピもお渡ししました。
今回のイベントが、みなさまの健康的な食事のご参考になれば幸いです。