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読書クラブ~英語の短編を読んでみませんか?~

2024/2/3 10:00~12:00 開催

2月3日(土)DIYスペース奥にて『読書クラブ~英語の短編を読んでみませんか?~』が開催されました。
主催者である甲斐絵理さんは現在東京在住。一橋大学の博士課程言語社会研究科に在籍し、非常勤講師として専修大学などで教鞭を取っています。昨年から故郷である延岡に帰省されるタイミングに合わせて、夏冬の年に2回、エンクロスでイベントを開催しています。


イベントは全2回の構成です。今回は英国の作家ヴァージニア・ウルフの “Mrs.Dalloway in Bond Street”(1923年刊)を取り上げます。1回目の本日は探索編。作家ヴァージニア・ウルフの人となりや短編の紹介、英語の長文の読み方について解説しました。参加者には、
英語を学び直したい方、英文学に興味のある方、英会話をしたい方、他にもつい先日まで海外に仕事で出張に行っていた方などさまざまな方が集まりました。
まず、お互いの自己紹介ののち、甲斐さんが用意した資料をもとに進めていきます。
資料は短編本文だけではなく、ロンドンの地図なども書かれたプリントも用意され、内容の理解がよりわかりやすくなるよう工夫されていました。


今回参加者と読むヴァージニア・ウルフの“Mrs. Dalloway in Bond Street”は8ページほどの短編です。ですが、昨年夏に読んだ短編より英文の難易度が上がっています。そこで今回は「輪読」に挑戦。1人で短編全部を読み通すのではなく、1人1ページとして、参加者で分担して読み合うことに。
そのため、甲斐さんから各ページの注意点やポイントが説明され、担当決めを行います。
「このページはロンドンの地理に詳しい方にお願いしたいな」と甲斐さんが提案するなど、参加された方の強みを生かしたページ分けを行いました。
みなさんの表情は真剣そのもの。甲斐さんの説明にうんうんとうなずきながら、ポイントをメモする姿が見られました。


読書会で大事なことは、ただ読むだけではなく、問いを立てその答えを探しながら読むこと。
今回はダロウェイ夫人の意識の流れを理解するため、それぞれのページで彼女が「何を思考しながら、どんな行動しているか」を明確にしていく課題が出されました。

休憩時間は質問や雑談タイム。甲斐さんに熱心に質問する姿が見られました。


雑談のなかで、甲斐さんが「文法をきっちり理解して読まなくても、50%の理解でさっと読み進めるくらいで大丈夫ですよ」と話すと、すこしほっとした表情を浮かべる方もおられるなど終始穏やかな雰囲気に包まれながら進みました。
休憩を挟んだあとは、英語の基本構造についての解説を行いました。
ヴァージニア・ウルフの作品を読むうえで理解しておきたい分詞から分詞構文を詳しく解説。実際に例文の読解を交えながら身につけていきます。
また、英文を前から順番に逐語訳して長文読解を行うSIM方式についても触れました。この読み方は英語脳を鍛え、リスニング力の向上も期待されています。
解説をうけた英語の構造や長文の読み方を意識しながら、先ほど割り振った担当ページを読み始めます。甲斐さんに質問しながら、また、参加者同士で相談しながら熱心に読解に挑む姿が見られました。


英語の長文読解や英文法は大人になると触れる機会が少なくなるもの。甲斐さんの柔らかく的確な解説は心地よく響き、和やかながらも真剣に英語に向き合う時間となりました。


「ネイティブであってもその言語を100%理解することは難しいものです。完璧主義が英語学習の最大の敵。半分くらいを理解し、このイベントでみなさんと話し合うことで70%くらいの理解度に上げていければ楽しいのではないでしょうか」と甲斐さん。

次回2月17日(土)は今回の内容を踏まえたうえで、担当ページの感想や内容を話し合う読解編を行います。
甲斐さんの解説も含めて、 “Mrs. Dalloway in Bond Street”を通して、英文学史上最も有名なキャラクターのひとりであるクラリッサ・ダロウェイの意識の流れやロンドンの街並みを楽しみます。本日参加されていなくてもご参加いただけます。
みなさんもいっしょに英文に親しんでみませんか。


次回開催日程:2月17日(土) 10:00~12:00
場所:DIYスペース奥
お申込みは甲斐絵理さん(sereneuk0@gmail.com)までお願いいたします。