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映画を通して平和を考える「ガザ素顔の日常」上映会&ワークショップ@エンクロスパレスチナデー

2024/3/16 18:00~20:00 開催

ガザ地区の現状に光を当て、映画上映、展示、料理を通じて社会意識を高め、行動を起こすきっかけとなることを目指した「-文化を通じて心をつなぐ-パレスチナデー」が、3月16日(土)に開催されました。
「ガザ素顔の日常」上映会&ワークショップは、その企画の中の1つです。
宮崎ソーシャルシネマプロジェクト実行委員会の方々が企画され、学習席スペースで行われました。


上映前に、実行委員会の代表を務める山中はるなさんから挨拶がありました。
2023年にハマスとイスラエルの紛争が始まり5ヶ月が経過。映画の舞台となっているガザ地区には約200万人が住んでいて、今回の紛争で約3万人が亡くなっており、家族の誰かが亡くなっている状態だと言います。
映画は、紛争前のガザ地区の日常を撮影したもので、「本当の素顔の日常が見られていい映画だったので、みなさんにも見てほしいと思いました。」と山中さんは伝えていました。

映画には様々な思いを感じながらも、ガザ地区で日常を力強く生きる人たちの姿がありました。そして、地中海に面した青く美しいビーチが印象的でもありました。
チェロを奏でる女子学生、感情を叫び訴えるラッパー、子どもが40人いるという漁師のおじいさん、海に惹かれたサーファー、みんな個性的で魅力的なガザ地区の住民であり、笑いながら会話を楽しむ場面や子どもが無邪気に遊んでいる日常は、紛争地というイメージとは違う一面を発見できた気がします。
しかし、その日常のすぐ側では、数えきれない銃弾の跡が残る外壁や、倒壊している建物があり、5分後には何が起こるか分からない状況と隣り合わせで生きている過酷な現実もありました。


“欲しいのは普通の生活と平和“
ガザ地区の人々が手にしたいもの、それは「普通の生活と平和」。
海も陸も空さえも制限されているガザ地区の人々は、自分たちの未来がどこに向かうのか分からないまま巨大な壁の中で過ごし続け、「自由」を求め抗議します。
終わらない苦しみや拷問の日々。「いつ終わるかは神様しか知らない」と答えていた住人の言葉に、どこまでも続いているはずの青色の海が、人々の様々な感情で入り交ざったグレー色に変化していくように感じたのでした。

上映会が終わり、佐藤薫さん(QAIR)と荒木李紗さん(Nagasaki for Palestine・<パレスチナ>を生きる人々を想う学生若者有志の会)のお二人が登壇し、トークセッションが行われました。


映画を見て、人権、平和とは良く聞くけれど、実は一体なんなのだろう。と改めて考えるきっかけになったことや、ニュース・メディアからの情報だけを信じ込まず、自分で知ること、そして自分のできることからしてみる。自分で動き出す一歩がとても大切なことだと話をしていました。

最後に、ソーシャルシネマプロジェクト実行委員会の方、登壇者の方、上映会に参加された方々を混じえグループに分かれ、それぞれの考えや想いを伝え合いました。



未来が閉ざされている子どもたちをどうにかしたいという想いや、子どもたちは何を食べているか気になった。というガザ地区の子どもたちへの心配の声が多くあがり、その言葉にみなさん大きく頷いていました。また、これからの情報の取り方について意識していきたいという意見もあり、今回の取り組みが気付きにつながったようでした。
みんなで意見交換できた時間は、参加されたみなさんにとって行動を起こすきっかけとなったに違いありません。