紫原明子「大人だって、泣いたらいいよ」トークイベント＆お話会

1月28日(土)、中央大ラウンジにて『「大人だって、泣いたらいいよ」トークイベント』が開催されました。
このイベントは、11月に出版された「大人だって、泣いたらいいよ～紫原さんのお悩み相談室～」の著者である紫原明子さんをお迎えして、自身の人生についてのお話、そしてお悩み相談にお答えしていただくものです。
司会進行を担当するのは、紫原さんが月に一回行っている「お話会」のメンバーである黒木萌さん。今回はオンラインで参加していただきました。

まずは紫原さんの人生について。
紫原さんは、高校を卒業してすぐに結婚し、10代でご出産されました。旦那さんはデザイナーとして企業し、予想を裏切るほどうまくいったそうです。
順調そうに見えた結婚生活ですが、ある時、異変に気づきます。なんと約10億ものお金がいつの間にか消えていたのです。そのお金はすべて旦那さんが使っており、その後旦那さんは失踪してしまったとのこと。

紫原さんは、自身にキャリアが何一つないことに気づき、ホームパーティーを開催することで知り合いを増やしていったそうです。そして無事に仕事が見つかり、旦那さんと別れました。
しかし、やっと見つけた会社で働き始めたのも束の間、その会社はブラック企業だったというてん末・・・
離婚し、ブラック企業だった仕事も辞めて、なにもかもなくなってしまい、空を見上げるしかなかったという紫原さん。

そこで紫原さんがとった行動はなんと“パンを焼くこと”。これには参加者のみなさんもびっくりしていました。パンを焼くことにどんどんハマっていき、パンブログを始めることに。それと並行して、お悩み相談も行っていきました。
パンブログはやがて世間の注目を浴びるようになり、紫原さんは物書きへと転身しました。
その後は、執筆活動に加え、子育て中のお父さん、お母さん、そして赤ちゃんを応援する『WEラブ赤ちゃんプロジェクト』の発案など様々な活動を行っていきました。そして、去年11月に雑誌で大好評だった連載に、お悩み相談を加えた『大人だって、泣いたらいいよ～紫原さんのお悩み相談室～』が発売されました。

波乱万丈の人生のお話が終わり、お悩み相談タイムへ。
恋愛や子育てなど、様々なお悩みが寄せられ、一つ一つ丁寧にお答えされていました。
最後の相談は「パートナーシップとはどういうものだと思いますか？」というもの。

紫原さんは、離婚したことで自由になり、やりたいことができるようになったとのこと。子育て抜きだと余裕ができて、お互いを大切に思えるようになるそうです。余裕がない中でも「GIVEの精神」を持つことが大切で、家族やパートナーという言葉にとらわれず、程よい距離感で「半他人」と思うぐらいがちょうどいいとおっしゃっていました。

紫原さんの元へ届くお悩みは、孤独を抱えているものが多いそうです。
スマートフォンが普及している現代、メールやSNSでたくさんの人とつながっているはずなのに、誰かと心からつながれているという実感が持てないという人が大勢いるというのが現状です。「友達はたくさんいるのになぜかいつも孤独」「何をやっても自分に満足できない」と一人で抱え込んでしまうようです。
お悩みを本当に解決させたいなら、長い時間をかけるべき。まずは、大きな池をつくるような気持ちで相手の言葉を受け止めることが大切。
参加者のみなさんは紫原さんの言葉を思い思いに受け止めている様子でした。

16時からは待合ラウンジにて「お話会」が行われました。
みなさんは日々の生活の中で、ふと誰かに話を聞いてほしいと思う時はありませんか？
しかし、実際に友達や家族に話してみると、「こうしたほうがいいんじゃない？」「そんなことで悩まなくても大丈夫だよ」など意見や否定をされ、本当に話したいことを話せなかったり、逆に傷ついてしまうことも多いのではないでしょうか。
励ましや意見がほしいのではなく、ただ話を聞いてほしい。そんな風に思っている人が大勢いるのではないでしょうか？
そこで、この「お話会」では、外には漏らさないこと、否定などはせず、さらには励ましの言葉や意見も言わない、相手の話をただ聞くというルールを決めて、みなさんが今話したいことを話していきました。
相手の話をただ聞き、自分も話したいことをただ話す。フィードバックをされない、話す相手が知らない人だからこそ、思いのままに話すことができ、終わった後にはみなさんどこかスッキリしたような表情を見せていました。

紫原さんの生き方や考え方を知り、参加者のみなさんも自分自身を見つめ直すことができる素晴らしいイベントとなりました。